円月島(高嶋)緊急保全対策工事の完了について
更新日:2024年03月13日
経緯と経過
観光地白浜を代表する景勝地であり、町のシンボルでもある名勝円月島(高嶋)は、平成17年度以降、連続して島の崩落が進み、今後も新たな崩壊が起きてしまう可能性が高くなっています。そこで、平成21年6月2日より、有識者、関係各団体、白浜町からなる「円月島(高嶋)保全検討委員会」を立ち上げ、平成22年度に調査・設計業務を、平成23・24年度(第1.期工事)と平成25・26年度(第2.期工事)にかけて、緊急保全対策工事を実施してきました。
施工前
施工後
工事の内容
工事内容は、島本体の亀裂部及び浸食部の隙間を岩接着工で充填することによって、オーバーハング状となっている不安定な部分の是正を図るというものです。加えて円月島の裏側(海側)のみで工事を実施することにより、可能なかぎり、これまでの景観を維持することに努めています。
また、礫岩(れきがん)という非常にもろい岩質で形成されている島の表面を保護するために、風化防止工を施工しています。この工事は、円孔部を中心に、表側(陸側)と裏側(海側)で実施しています。風化防止工の影響で一部白色化しているように見える箇所も確認されますが、時間を経ることにより、色合いが落ち着いていくことが試験施工により判明しています。
岩接着工(目地工)
風化防止工
保全対策の今後
緊急的な保全対策工事としては今回で完了いたしましたが、今後は定点観察を含めたモニタリングを定期的に実施し、円月島(高嶋)がどのような過程で崩落していくのかを精査していきたいと考えております。
白浜町の貴重な文化遺産である円月島(高嶋)を保全するために、今後とも町民の皆さまのご理解とご協力を頂きたいと考えております。